私のところには、全国の不動産投資家の方から、こんな相談がたくさん来ます。
「富山でいい収益物件があったら紹介してください!」
「利回りの良いアパートがあれば、ぜひ買いたいです!」
「いい物件が出たら、すぐに連絡ください!」
もちろん、物件を購入したいという方から相談をいただくのは、ありがたいことです。
しかし、ここで一つ、衝撃的な話をします。
私のところに物件紹介を希望して来る方の、感覚的には98%が、実際には物件を購入できません。
いや、本当に。
「物件を紹介してほしい!」
と言うので紹介を検討すると、
「融資がつきません……」
「自己資金が足りません……」
「もう少し利回りが良ければ……」
なんやねん!!(笑)
今回は、なぜ「物件を買いたい」と言いながら買えない人がこんなに多いのか。
そして、本当に良い収益物件を紹介してもらえる人は、どんな人なのか。
富山の不動産業者として、少し本音でお話しします。
理由① そもそも銀行の融資がつかない!
一番多いのが、これです。
「物件を買いたいけれど、融資がつかない」
不動産投資は、多くの方が金融機関からの借入を利用して物件を購入します。
ですから、いくら良い物件を見つけても、融資がつかなければ購入できません。
特に富山では、地方銀行などの融資審査が以前より厳しくなったと感じています。
金融機関や融資商品によっては、借入希望者が富山県内に住んでいることなどを重視するケースもあります。
つまり、東京や大阪に住んでいる投資家が、
「富山は利回りがいいから買いたい!」
と思っても、簡単に融資が受けられるとは限らないのです。
もちろん、金融機関によって審査方針は違いますし、県外在住でも融資を受けられる方法がまったくないわけではありません。
実際、条件によっては突破口が見つかるケースもあります。
ただ、物件を探す前に考えてほしいのです。
「あなたは、その物件を買うための融資を受けられる状態ですか?」
ここが整理できていないまま物件を探しても、結局、買えずに終わってしまうことが多いのです。
理由② 自己資金が思っているほどない!
次に多いのが、自己資金の問題です。
「5,000万円くらいの物件を探しています!」
「1億円くらいまでなら購入したいです!」
威勢のいい話はよく聞きます。
そこで、
「ちなみに、自己資金はいくらご用意されていますか?」
と聞くと、
「200万円くらいです」
……。
いやいや(笑)。
もちろん、自己資金が少なくても融資を受けられるケースはあります。
ただ、最近は物件価格の2割程度の自己資金を求められるケースも珍しくありません。
仮に5,000万円の物件で自己資金2割なら、1,000万円です。
さらに、仲介手数料、登記費用、不動産取得税などの諸費用も考える必要があります。
物件によっては、購入後すぐに修繕費が必要になることもあります。
物件を購入するためのお金と、購入後に賃貸経営を続けるためのお金は、別に考える必要があるのです。
「自己資金はほとんどありません。でも、利回りの良い物件を紹介してください!」
と言われても、我々としては困ってしまいます。
物件を探す前に、まずは自分がいくらまでなら無理なく購入できるのか。
ここを把握していただきたいと思います。
理由③ 誰もが欲しがる好条件物件しか買う気がない!
そして、3つ目。
これも非常に多いです。
「築浅で」
「駅に近くて」
「入居率が高くて」
「修繕の必要がなくて」
「利回りが高くて」
「できれば相場より安い物件で」
……。
そんな物件、私だって欲しいです!(笑)
もちろん、良い条件の物件を探すこと自体は悪いことではありません。
しかし、誰もが欲しがるような物件が、都合よく市場に出てくるとは限りません。
特に富山では、長年取引のある投資家や、資金力のある購入希望者が多くいます。
本当に条件の良い物件が出てきた場合、一般公開される前に、購入できる見込みの高い方へ紹介されることもあります。
なぜか?
理由は簡単です。
「買える人」がすでにいるからです。
売主にとっても、不動産会社にとっても、購入できるか分からない方に何度も紹介するより、資金計画が明確で、迅速に判断できる方との取引のほうが進めやすいのです。
特に、初めて問い合わせてきた方に、いきなり未公開の好条件物件を優先して紹介する理由は、なかなかありません。
「〇〇銀行から〇億円まで融資の確約をもらっています!」と言う人ほど買わない説
ここで、私の経験から一つ。
初めて相談に来た方の中に、こんなことを言う人がいます。
「私、〇〇銀行から〇億円までなら融資すると確約をもらっていますので!」
しかも、なぜか少し自慢げ(笑)。
もちろん、本当に金融機関から具体的な融資の見通しを得ている方もいるでしょう。
ただ、私の経験上、このセリフを最初から強調する方で、実際に取引が成立した記憶がほとんどありません。
不思議なんですよね。
そもそも、不動産投資の融資は、本人の属性だけで決まるものではありません。
購入する物件の担保評価や収益性、金融機関の審査方針などによっても変わります。
「〇億円まで融資可能と言われた」
という話と、
「今回のこの物件に、希望する条件で融資が実行される」
という話は別です。
だから私は、融資枠の大きさを自慢されても、それだけで購入できる方だとは判断しません。
何でもかんでも「レントロールください!」という人
もう一つ、困ってしまうのが、これです。
物件の概要をお話しすると、
「レントロールをください!」
別の物件を紹介すると、
「それもレントロールをください!」
さらに別の物件でも、
「とりあえず資料を全部ください!」
……。
いや、あなた、本当に買う気あります?(笑)
もちろん、収益物件を購入するうえで、レントロールは非常に重要な資料です。
私自身、物件を購入する際には、賃料や入居状況などをしっかり確認すべきだと思っています。
ただ、購入できる資金計画もなく、購入条件も定まっていないのに、何でもかんでも資料を欲しがる方がいるのです。
私は、こういう方を心の中で、
「かまってモンスター」
あるいは、
「何でも欲しがるマミちゃん病」
と呼んでいます。
……世代によっては分からないかもしれませんが(笑)。
資料を求めること自体が悪いのではありません。
問題は、購入するための準備も判断基準もないまま、資料を集めることが目的になってしまっていることです。
我々も、売主様から大切な物件情報をお預かりしています。
入居者の情報や物件の収支に関する資料を、誰にでも無制限に提供できるわけではありません。
お互いの時間を大切にしたいものです。
本当に良い物件は、誰に紹介するのか?
では、私のところに良い収益物件の情報が入ってきた場合、誰に紹介するのでしょうか?
実は、ある程度決まっています。
何棟も購入していただいているオーナー様
まずは、これまで何度も取引していただいている方です。
購入できる資金力があり、判断も早い。
何より、お互いの考え方を理解しています。
他社で購入しても、管理を当社に任せてくださるオーナー様
次に、当社で物件を購入したわけではなくても、賃貸管理を任せていただいている方です。
私は、売買仲介だけでなく、購入後の賃貸経営を一緒に行うことを重要視しています。
管理を通じて、その方の経営方針や資金計画、物件に対する考え方も理解できます。
だからこそ、新しい物件を紹介する際にも、安心感があります。
まだ取引はなくても、定期的に足を運んでくださる方
そして、意外と重要なのがこの方々です。
まだ物件を購入していただいたことはない。
管理を任せていただいているわけでもない。
それでも、定期的に足を運んでくださり、
「最近、こんな状況になりました」
「自己資金がこれくらい貯まりました」
「銀行と相談して、ここまで融資の話が進んでいます」
と、状況を報告してくださる方です。
こういう方は、購入に向けて本当に準備していることが伝わってきます。
そして何より、信頼関係ができます。
物件の紹介は、まずこのような方々からです。
実際、こうした方々に紹介しているうちに、購入者が決まってしまうことも多いのです。
だから、世間には出回らない。
そういうことです(笑)。
良い物件を紹介してもらいたければ、まず「買える人」になること
ここまで少し厳しいことを書きましたが、私は、初めて不動産投資をする方を否定しているわけではありません。
最初は誰でも初心者です。
私がお伝えしたいのは、物件探しの順番です。
「良い物件を探す」よりも先に、「良い物件が出たときに買える状態を作る」ことが重要なのです。
自己資金はいくらあるのか。
どの金融機関と相談できるのか。
いくらまでなら無理なく購入できるのか。
どんな物件を、どんな目的で購入したいのか。
そして、購入後の賃貸経営をどのように行うのか。
こうしたことが整理されていれば、我々も具体的な提案がしやすくなります。
逆に、何も決まっていない状態で、
「いい物件があれば紹介してください!」
と言われても、なかなか難しいのです。
まとめ|物件の紹介は、結局「信頼関係」です
私は、収益物件の仲介を積極的に数多く行うつもりはありません。
なぜなら、自分たちが買いたいと思えない物件を、他人に売りたくないからです。
そして、当社が仲介した物件については、購入後の賃貸経営にも責任を持ちたいと考えています。
だからこそ、誰にでも何でも紹介するわけではありません。
物件を購入できる準備が整っていること。
賃貸経営に対する考え方が合うこと。
そして、お互いに信頼できること。
これらを大切にしています。
良い物件を紹介してもらうために必要なのは、立派な投資家プロフィールでも、融資枠の自慢でもありません。
実際に購入できる準備と、日頃からの信頼関係です。
「富山でいい物件があったら紹介してください!」
もちろん、ご相談は歓迎します。
でも、その前に一つだけ聞かせてください。
「あなた、本当にその物件、買えますか?」(笑)

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