24世帯中12部屋が空室!大学徒歩1分の苦戦アパートを6か月で満室にした方法

目次

24世帯中12部屋が空室!大学前の大苦戦物件を満室に!

今回ご紹介するのは、当社で実際に管理をお預かりしたアパートの事例です。

その物件は、某大学まで徒歩1分。

大学が目の前という、学生向けアパートとしては申し分のない立地でした。

ところが、驚くことに……

24世帯中、なんと12部屋が空室!

入居率はわずか50%。

「大学が目の前なのに、なぜ?」

そう思いませんか?

しかし、私はこの物件を見て、あることを考えました。

「そもそも、この物件は本当に学生向けなのだろうか?」

今回は、この大苦戦物件を、当社が管理開始からわずか6か月で満室にしたお話です。

東京のサラリーマン大家が三為業者から購入したアパート

この物件のオーナー様は、東京にお住まいの不動産投資家の方でした。

いわゆる「三為業者」から購入された物件です。

三為とは、第三者のためにする契約を利用した不動産取引のことです。

三為取引そのものが悪いわけではありませんが、収益物件を購入する際には、価格だけでなく、現在の入居状況や建物の状態、今後の運営方針まで確認することが重要です。

今回の物件は、購入後の賃貸管理を当社に委託していただきました。

大学まで徒歩1分。

誰が見ても「学生向けアパート」と考えてしまいそうな立地です。

しかし、現実には半分の部屋が空いていました。

大学が近いというだけで、入居者が集まるわけではないのです。

では、なぜ決まらないのか?

その原因を追究することから、我々の仕事は始まりました。

最初に調べたのは「入居者の属性」

まず、我々が調べたのは、現在入居している方々の属性でした。

大学が近いから学生向け。

そんな先入観は、一度捨てます。

実際、少子化が進む中で、学生向けの賃貸住宅が苦戦している地域もあります。

今回の物件の周辺でも、空室が目立つ学生向け物件が複数ありました。

そこで、既存入居者の属性を調べてみると、意外な結果が出たのです。

入居者の約60%が社会人。学生は40%弱。

管理開始時の入居者属性(概数) 社会人 約60% 学生 40%弱

※比率は当時の入居者データに基づく概数です。

これを見て、私は思いました。

「そもそも、ターゲットが違うんじゃないか?」

大学の目の前だからといって、学生だけをターゲットにする必要はありません。

実際に住んでいる人の多くが社会人なのであれば、社会人に選ばれる物件にしたほうが良いのではないか。

ここが、今回の空室対策の出発点でした。

初代オーナーから聞いた、建築当時のコンセプト

さらに、面白いことがありました。

たまたま、このアパートを建築した初代オーナー様から、直接お話を聞く機会があったのです。

まぁ、私の人脈の広さということで(笑)。

そこで、建築当時のコンセプトについて聞いてみました。

すると、

「もともと学生向けに建てたんです。最初は女性専用でした」

とのこと。

なるほど。

そういうことだったのか。

女性専用ということで、防犯面を考慮し、バルコニーを設置しなかったそうです。

また、学生向けということもあり、火災のリスクを考えて給湯設備や調理器具はすべて電気式にしたとのことでした。

つまり、当時は当時なりに、きちんとした理由があって設計された建物だったのです。

しかし、時代が変わり、入居者のニーズも変わりました。

建築当時のコンセプトが、今の入居者ニーズと合わなくなっていたのです。

バルコニーがない!照明がない!設備も古い!

ここから、具体的な改善に取り組みました。

まず、バルコニーがありません。

バルコニーがないということは、洗濯物を外に干せないということです。

そこで、室内に物干し器具を設置しました。

次に、照明器具。

部屋に照明が設置されていなかったため、入居者が自分で用意しなければならない状態でした。

これも改善しました。

さらに、インターホン。

テレビモニター付きではなかったため、来訪者の顔が確認できません。

そこで、TVモニター付きインターホンを導入しました。

ほかにも、入居希望者の立場から見て不便だと思われる部分を洗い出し、改善していきました。

ここで重要なのは、

「高額なリノベーションをすれば決まる」という話ではないことです。

もちろん、物件によっては大規模な改修が必要なケースもあります。

しかし今回の物件では、入居者が不便に感じる部分を一つずつ改善することが重要でした。

ターゲットを学生から社会人に変更!

設備を改善すると同時に、募集戦略も変更しました。

これまでは、大学が近いという理由で、学生向け物件として募集していました。

しかし、既存入居者の約60%が社会人だったことを考えれば、社会人にも十分需要があるはずです。

そこで、

募集のメインターゲットを学生から社会人へ変更しました。

もちろん、学生をお断りするという意味ではありません。

学生だけにこだわらず、社会人にも積極的に選んでいただけるようにしたのです。

物件の魅力を伝える相手が変われば、募集の方法も変わります。

大学まで徒歩1分という立地だけでなく、社会人が暮らすうえでの利便性や設備面も意識して募集するようにしました。

物件は同じでも、誰に向けて募集するかによって結果は変わるのです。

自主管理の落とし穴!ネットに物件が掲載されていなかった

そして、もう一つ大きな問題がありました。

それは、募集方法です。

前所有者は自主管理をされていたため、インターネットへの物件掲載がほとんど行われていませんでした。

これでは、いくら立地が良くても、入居希望者に物件を見つけてもらえません。

今の賃貸住宅探しでは、SUUMOなどの不動産ポータルサイトが重要な集客経路になっています。

物件が掲載されていなければ、比較検討の対象にすら入りません。

「人気のない物件」なのではなく、「そもそも知られていない物件」だった可能性があるのです。

そこで、ネットへの掲載を含め、募集体制を見直しました。

これは、大規模なリノベーションとは違い、多額の設備投資を必要としない改善策です。

しかし、入居者募集においては非常に重要な仕事なのです。

結果、管理開始からわずか6か月で満室に!

設備を改善し、募集ターゲットを変更し、インターネットへの掲載を見直す。

やったことは、決して特別なことではありません。

賃貸管理会社として、やるべきことを一つずつ実行しただけです。

その結果……

管理開始から、わずか6か月で満室になりました!

24世帯中12部屋が空室だった物件です。

入居率50%から100%へ。

しかも、大学が目の前という立地条件は何も変わっていません。

建物を建て替えたわけでもありません。

変えたのは、物件の価値を高めるための工夫と、入居者募集の考え方です。

なぜ12部屋も空いていたのか?原因はたった3つ

今回の事例を振り返ると、空室が多かった原因は、大きく分けて3つだったと考えています。

① 建物が時代のニーズに合っていなかった

建築当時は女性専用の学生向けアパートとして考えられた建物でした。

しかし、時代が変わり、入居者の求める設備も変わりました。

室内物干しや照明器具、TVモニター付きインターホンなど、現在の入居者にとって必要な設備が不足していたのです。

② インターネットでの募集が不十分だった

自主管理という事情もあり、物件のネット掲載がほとんどありませんでした。

これでは、物件を探している人に存在を知ってもらうことができません。

いくら良い物件でも、知られなければ選んでもらえません。

③ 学生だけをターゲットにしていた

大学の目の前だから学生向け。

この固定観念が、募集の幅を狭めていたと考えています。

実際には、既存入居者の約60%が社会人でした。

にもかかわらず、学生を中心に募集していたのです。

この3つを改善したことが、今回の満室につながったと考えています。

しかも、設備改善には費用がかかりましたが、募集ターゲットの変更やネット掲載の見直しは、大規模な設備投資を必要としない対策でした。

空室対策は、家賃を下げることではない

空室が多い物件を見ると、すぐに、

「家賃を下げましょう」

という不動産会社があります。

もちろん、家賃が相場より高すぎる場合は、適正な家賃に見直す必要があります。

しかし、空室が多い原因が家賃とは限りません。

設備が足りないのか。

募集方法が悪いのか。

ターゲットが間違っているのか。

それとも、本当に賃貸需要がないのか。

こうした原因を調べずに、安易に家賃を下げることは、オーナー様の収益を減らすことにつながります。

私は、管理会社の仕事は「空室があるから家賃を下げる」と提案することではないと思っています。

「なぜ決まらないのか?」を分析し、改善策を考え、実行すること。

これこそが、本来の賃貸管理会社の仕事ではないでしょうか。

まとめ|賃貸管理会社が変われば、物件の価値も変わる

今回の物件は、大学まで徒歩1分という立地にありながら、24世帯中12部屋が空室という状態でした。

しかし、入居者属性を調べ、建築当時のコンセプトを理解し、現在のニーズに合わせた設備改善を行い、募集ターゲットと募集方法を見直した結果、わずか6か月で満室になりました。

今回の事例で、改めて感じたことがあります。

「空室が多い物件=ダメな物件」ではない。

物件そのものに問題があるのではなく、管理や募集の方法に問題があるケースも少なくありません。

そして、その問題を発見し、改善するのが我々管理会社の仕事です。

私は、賃貸管理とは単なる家賃集金やクレーム対応ではないと思っています。

オーナー様の賃貸経営を成功に導くこと。

そのために、物件の価値を高め、入居者に選ばれる物件に育てていく。

今回も、そんな仕事ができた事例でした。

いい仕事しました(笑)。

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