「空室対策コンサルタントの〇〇先生から聞いたんです!」
「〇〇先生のセミナーで、こうすれば満室になると教わりました!」
不動産投資家や賃貸オーナーの方から、こんな話をよく耳にします。
最近は、空室対策コンサルタント、賃貸経営コンサルタント、不動産投資コンサルタントなど、さまざまな肩書きを持つ方がいらっしゃいます。
もちろん、優秀な方もいるでしょう。
しかし、私はいつも思うのです。
「その先生、実際に賃貸仲介や賃貸管理の仕事をしたことがあるの?」
そもそも「空室対策コンサルタント」という肩書きは、それだけで一定の実務能力が保証される国家資格ではありません。
極端な話、賃貸仲介も管理業務も経験していない人が、その肩書きを名乗ることだってできるわけです。
そんな人に、大切なアパートの空室対策を任せて大丈夫なのでしょうか?
今回は、少し辛口でお話しします。
空室対策は、机の上で勉強しただけでは分からない!
私は、空室対策や入居率改善の相談に乗るのであれば、少なくとも次のような実務経験が必要だと考えています。
賃貸仲介の実務経験5年以上、もしくは賃貸管理の実務経験5年以上。
もちろん、これは法律で決められた基準ではありません。
あくまで、私自身が専門家を評価する際の目安です。
なぜ5年なのか?
それは、賃貸市場が教科書どおりには動かないからです。
例えば、
「この設備を導入すれば入居率が上がります!」
「家賃を5,000円下げれば決まります!」
「人気の間取りに変更しましょう!」
そんな提案は、誰にでもできます。
しかし、本当に重要なのは、
「その物件の、そのエリアの、その家賃帯で、本当に入居者が決まるのか?」
ということです。
こればかりは、実際にお客様を案内し、契約し、空室を埋めてきた経験がなければ、なかなか分かりません。
不動産投資のコンサルと、空室対策のコンサルは別物です
ここは誤解してほしくないところです。
私は、不動産投資家の方がコンサルタントを名乗り、相談に乗ることを否定するつもりはありません。
実際、数多くの収益物件を購入し、我々不動産業者以上に知識や経験を持っている投資家の方もいらっしゃいます。
物件の購入方法。
収益分析。
金融機関の選び方。
融資の組み立て方。
こうした分野では、非常に優秀な投資家の方がいるのも事実です。
私自身、勉強させていただくこともあります。
しかし、不動産投資に詳しいことと、賃貸仲介の現場に詳しいことは別問題です。
物件を買うための知識と、購入した物件を満室にするための知識は、必ずしも同じではありません。
どんな部屋が決まるのか。
どんな設備が求められているのか。
どの家賃帯なら反響があるのか。
どんなお客様が、どんな理由で申し込みをするのか。
こうしたことは、毎日の仲介現場に答えがあります。
CPM、CCIM、FP……立派な資格もいいけれど
不動産業界には、さまざまな資格があります。
例えば、CPMやCCIM。
ファイナンシャルプランナーなどの資格を持っている方もいらっしゃいます。
どれも、それぞれの分野で専門知識を学ぶ価値のある資格です。
私も、資格を取得するために努力されたことは評価しています。
しかし、ここで一つ。
「資格を持っていること」と「今の賃貸仲介現場を知っていること」は別です。
立派な資格を持っていても、実際に入居希望者を案内したことがない。
賃貸管理のトラブルを解決したことがない。
最近の入居者ニーズを肌で感じたことがない。
そんな方が、空室対策について自信満々に語っているのを見ると、
「先生、それって現場でも通用するんですか?」
と聞きたくなります(笑)。
資格は知識を示す一つの材料です。
しかし、空室対策の実力を判断するなら、資格の数より、どんな物件をどう改善してきたのかを聞くべきだと思います。
当社の賃貸仲介スタッフは年間150件前後の契約をしています
では、実際の賃貸仲介の現場はどうでしょうか。
当社では、賃貸仲介の担当者が一人で年間150件前後の契約をこなしています。
年間150件ということは、単純計算で月12件以上。
もちろん、契約に至らなかった案内や問い合わせも入れれば300件位になります。
毎日、お客様と接し、希望条件を聞き、物件を案内し、契約をまとめています。
その中で、
「この設備がないと嫌だ」
「この家賃なら借りたい」
「この間取りは使いにくい」
「この物件と比較して、こっちに決めた」
といった、生の声を聞いているのです。
これ以上に価値のある市場調査があるでしょうか?
一方、管理の現場でも、担当者が年間150室以上の空室を埋めています。
毎日、空室対策を考え、募集条件を見直し、設備改善を提案し、入居者やオーナー様のトラブルを解決しています。
こうした仕事を毎日積み重ねている社員の知識は、非常に価値があると思っています。
社長の私も、今でも現場仕事をしています(笑)
私自身、この業界に30年近く携わってきました。
現在は代表取締役を務めていますので、さすがに賃貸仲介の最前線からは少し離れています。
しかし、現場の感覚を失いたくないので、重要事項説明は今でも月に数件行っています。
売買仲介や賃貸管理の仕事は今でも現役です。
そして、何を隠そう……
鍵交換や、穴の開いた壁の補修、洗浄便座の交換なんかも、今でも自分でやっています(笑)。
社長なんだから、社員に任せればいいじゃないか。
そう思う方もいるでしょう。
もちろん、社員に任せる仕事は任せています。
しかし、現場で何が起きているのか、どんな作業が必要なのかを知らずに、管理会社の経営ができるとは思っていません。
現場から離れれば離れるほど、現場の苦労や実情が見えなくなってしまうからです。
家賃相場は20代の若手店長に教えてもらっています
ここからが、今回一番お伝えしたい話です。
私も不動産業界に30年近くいますから、そこそこの経験は積んできたつもりです。
しかし、現在の富山の家賃相場や人気エリア、入居者に選ばれる設備、法人の動きなどについては、20代の若手店長に教えてもらっています。
しかも、ちゃんと頭を下げて(笑)。
なぜか?
今の賃貸市場を一番よく知っているのは、毎日お客様と接している現場の社員だからです。
私が現場の最前線にいたのは、もう随分前の話です。
当時と今では、入居者の価値観も、人気の設備も、物件の探し方も変わっています。
昔は当たり前だったことが、今では通用しないこともあります。
そんな私が、昔の経験だけを頼りに、
「最近の若い人は、こういう部屋が好きなんだ!」
なんて偉そうに語っていたら、どうでしょうか。
ただの時代遅れのオジサンです(笑)。
空室対策は、26歳の女性エースに聞いています
そして、当社にはもう一人、頼もしい社員がいます。
管理部で活躍している26歳の女性社員です。
私は、空室対策について彼女に相談することがよくあります。
彼女は美術大学の出身ということもあり、色のセンスが非常に良いのです。
壁紙の色。
床材との組み合わせ。
アクセントクロスの選び方。
照明や室内全体の雰囲気。
こうしたコーディネートが、実にうまい。
彼女がコーディネートした部屋は、すぐに入居が決まることが多いのです。
私は、彼女の提案を見て、
「なるほど、こういう色の組み合わせがいいのか!」
と感心することがあります。
私が自分の昔の感覚だけで選んでいたら、きっと無難な白い壁紙ばかりになってしまうでしょう(笑)。
今の入居者に選ばれる部屋を知っているのは、私ではなく、彼女なのです。
年齢も役職も関係ありません。
現場で結果を出している人の意見が、一番参考になります。
老兵は、過去の栄光にこだわらない
私は、これが非常に大切だと思っています。
老兵は、過去の栄光にこだわらない。
30年近くこの業界にいる私にも、それなりの経験と実績があります。
昔は、今よりも現場でバリバリ仕事をしていました。
しかし、それは過去の話です。
今の賃貸市場は、当時とはまったく違います。
入居者が求める設備も変わりました。
人気の間取りも変わりました。
物件の探し方も変わりました。
法人の社宅需要だって変化しています。
だからこそ、昔の経験を持つ私が、今の現場で働く若い社員から学ぶ必要があるのです。
経験は大切です。
しかし、経験が古くなっていることに気づかない人ほど、危険なのではないでしょうか。
空室対策コンサルタントを選ぶなら、ここを聞いてほしい
では、オーナー様が空室対策の相談相手を選ぶ際には、何を確認すればよいのでしょうか。
私は、次のようなことを聞いてみるとよいと思います。
- 実際に賃貸仲介や賃貸管理の仕事を何年経験しているのか
- 最近1年間で、どのような空室改善に関わったのか
- どのエリアの家賃相場や入居者ニーズに詳しいのか
- 提案した設備改善や募集条件の変更で、どんな結果が出たのか
- 現在も現場の情報をどのように収集しているのか
特に重要なのは、過去の実績だけでなく、今の市場を知っているかどうかです。
10年前に満室にした実績があっても、今の市場で同じ方法が通用するとは限りません。
また、東京で成功した空室対策が、富山でも成功するとは限りません。
賃貸市場は地域によって違います。
富山の賃貸経営について相談するなら、富山の現場を知っている人に相談する。
私は、それが一番確実な方法だと考えています。
不動産投資の相談も、実務経験を重視してほしい
ちなみに、収益物件の購入について相談する場合も、私は実務経験を重視しています。
私が理想と考えるのは、宅地建物取引士の資格を持ち、賃貸仲介、売買仲介、賃貸管理の各業務を、それぞれ3年以上経験しているような人です。
もちろん、これも私個人の判断基準であり、法律上の要件ではありません。
宅建士の資格がなければ、不動産投資の助言が一切できないという意味でもありません。
ただ、収益物件の購入には、さまざまな知識が必要です。
売買契約の知識。
建物や土地の問題。
賃貸借契約の知識。
入居者募集。
家賃設定。
修繕や原状回復。
購入後の管理運営。
これらを総合的に理解していなければ、購入後のリスクを見落としてしまう可能性があります。
収益物件は、買うことが目的ではありません。購入後、長期的に賃貸経営を成功させることが目的なのです。
だからこそ、私は購入前の相談相手にも、幅広い実務経験を求めたいと思っています。
まとめ|現場も知らない、情報も古い。そんな空室対策が必要ですか?
今回、少し厳しいことを書きました。
しかし、私は資格や肩書きそのものを否定しているわけではありません。
資格を取得するために勉強することは、素晴らしいことです。
セミナーで知識を学ぶことも大切です。
ただ、忘れてほしくないのです。
賃貸経営は、教科書の中で行うものではありません。
実際の物件があり、入居者がいて、オーナー様がいます。
そして、地域ごとに異なる賃貸市場があります。
空室対策に必要なのは、立派な肩書きだけではありません。
今の入居者が何を求めているのか。
今の家賃相場はいくらなのか。
どんな部屋なら選ばれるのか。
その答えを、現場で探し続けることです。
私自身、30年近く不動産業界にいますが、今でも若い社員から教わることばかりです。
むしろ、現場の社員に教えてもらわなければ、時代についていけません(笑)。
だから、オーナー様にもお伝えしたい。
「〇〇コンサルタント」
「〇〇認定資格」
「〇〇先生」
そんな肩書きだけで判断しないでください。
その人は、今の賃貸管理の現場を知っていますか?
実際に空室を埋めた経験がありますか?
あなたの物件がある地域の市場を理解していますか?
そこを確認してから相談相手を選んでほしいと思います。
最後に一言。
現場も知らない。情報も古い。
そんな空室対策、本当に必要ですか?(笑)

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