家財保険、上手く使っていますか?
賃貸住宅を契約するとき、多くの方が加入を案内される「家財保険」。
2年間で2万円前後の商品もよくありますが、
「自分が入っている保険で、何が補償されるのか?」
皆さん、どこまでご存じでしょうか?
「火事になったときの家財の保険でしょ?」
そのくらいの認識で加入している方も多いのではないでしょうか。
でも、実際の賃貸住宅向け保険には、商品によって家財の補償だけでなく、借家人賠償責任や個人賠償責任、修理費用など、複数の補償が組み合わされているものがあります。
特に今回知ってほしいのが、
「個人賠償責任保険」
です。
これ、意外と使える保険なんです。
個人賠償責任保険は「部屋の中」だけの保険ではない
個人賠償責任保険は、日常生活の中で他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりして、法律上の損害賠償責任を負った場合などに補償を受けられる保険です。
日本損害保険協会でも、例えば「買い物中に商品を壊した」「子供が他人の車を傷つけた」「自転車で歩行者とぶつかった」「自宅からの水漏れで階下の家財に損害を与えた」といった事例が紹介されています。損保ジャパン
つまり、
「賃貸住宅の保険だから、その部屋で起きた事故にしか使えない」
というわけではないのです。
例えば、子供とスーパーへ買い物に行って、誤ってお店の商品を壊してしまった。
こんなケースでも、法律上の賠償責任を負う場合には、個人賠償責任保険の対象になる可能性があります。
実際、日本損害保険協会も「買い物中に陳列商品を落として破損させた」ケースを補償例として挙げています。損害保険Q&A
ただし、補償対象者や補償範囲、免責事項などは契約している保険によって異なります。
私も実際に個人賠償責任保険を使ったことがあります
ここからは、私自身が実際に経験した話です。
以前住んでいたマンションでのこと。
マンションの共用部に、大型バイクが駐輪されていました。
そもそも駐輪スペースではなく、共用通路に置かれていたバイクです。
ある日、私の子供を含め、マンションに住んでいる複数の子供たちが近くで遊んでいました。
そのとき、誰が触ったのかは分かりませんが、その大型バイクが倒れてしまったのです。
1,000ccくらいの大型バイクです。
もし子供が下敷きになっていたら大事故になっていた可能性もあります。
幸い、子供たちにケガはありませんでした。
ところが後日、バイクの所有者から、
「マフラーに傷がついたので、修理代を払ってほしい」
との話が。
その金額、
約30万円。
「いやいや、そもそもそこ、バイクを置く場所じゃないでしょう……」
と思いましたが、相手は修理代を求めてきます。
一瞬、
「最高裁まで戦ってやろうか?」
とも思いました(笑)。
でも、そんなことでバカを相手に時間と労力を使うのももったいない。
そこで、
「分かりました。保険で対応します」
と伝えました。
なぜすぐに「保険が使える」と分かったのか?
理由は簡単です。
自分が加入している保険の補償内容を知っていたからです。
私はこのケースなら、個人賠償責任保険で対応できる可能性があると考え、保険会社に相談しました。
結果として、修理代は保険で対応してもらうことができました。
ちなみに、日本損害保険協会が現在紹介している個人賠償責任保険の補償例にも、
「子供が駐車場に停めてあった他人の車をキズつけた」
という、かなり近いケースがあります。損害保険Q&A
もちろん、実際に保険金が支払われるかどうかは、事故状況や契約内容によって個別に判断されます。
しかし、知らなければ、
「30万円払わないといけないの?」
となってしまうかもしれません。
知っていれば、
「これ、保険使えないかな?」
という発想ができます。
この差は大きいと思います。
……ただ、この事故に関係していた他の子供たちの親から、特に感謝の言葉がなかったのは今でもちょっと納得していません(笑)。
まぁ、いいですけど。
「借家人賠償」と「個人賠償」は違う
ここも、賃貸住宅に住んでいる方には知っておいてほしいところです。
「借家人賠償責任保険」と「個人賠償責任保険」は同じものではありません。
借家人賠償責任保険は、火災などによって借りている部屋に損害を与え、大家さんに対して法律上の損害賠償責任を負った場合などに備えるものです。
一方、個人賠償責任保険は、日常生活で第三者の身体や財物に損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合などに備えるものです。日本損害保険協会も、この2つを区別して説明しています。損害保険Q&A
例えば、水漏れ事故でも、
「借りている部屋そのものへの損害」
と、
「階下の住人の家財への損害」
では、関係する補償が異なる場合があります。
だからこそ、事故が起きたら自分で「これは対象外だ」と判断せず、まず保険会社や代理店に確認することをおすすめします。
孤独死に対応する補償が付いている商品もある
また、賃貸住宅向けの保険商品によっては、孤独死などに関連する費用を補償する特約・補償が設定されているものもあります。
例えば、死亡事故後の特殊清掃や残置物の片付けなどです。
ただし、これはすべての家財保険に付いているわけではありません。
商品によって補償内容や支払条件が大きく異なるため、
「家財保険に入っているから孤独死も大丈夫」
とは考えないでください。
契約している保険の約款・重要事項説明書などを確認する必要があります。
事故が起きたら、勝手に相手と話をまとめない
もう一つ、非常に重要なことがあります。
事故が起きたとき、
自分だけで相手と示談をまとめてしまわないこと。
日本損害保険協会も、保険会社に連絡せず被害者と約束を取り交わした場合、保険金が支払われないことがあるとして、まず保険会社へ連絡するよう案内しています。損保ジャパン
「私が全部払います」
などと、その場で約束してしまう前に、
「保険会社に確認します」
でいいのです。
せっかく保険料を払っているなら、補償内容を知っておこう
家財保険は、
「賃貸契約するときに不動産会社から言われたから入った」
という方が非常に多いと思います。
そして契約した後は、証券を見ることもない。
でも、それではもったいない。
重要なのは「何でも保険請求しましょう」ということではありません。
事故が起きたときに、自分の契約している保険で補償される可能性がないか確認することです。
保険会社や代理店に、
「こんな事故があったんですが、私の保険で何か使える補償はありませんか?」
と聞くだけでも違います。
せっかく保険料を払っているのですから、まずは自分が加入している保険の中身を一度確認してみてください。
そして最後に、これは絶対です。
実際には起きていない事故を申告したり、損害額を水増ししたりするような不正な保険金請求は絶対にダメです。
保険は、
「使える事故なら、正しく使う」
これが大原則です。

コメント