2026年10月18日(日)。
我々、不動産業界にとって、年に一度の大イベントがありました。
そうです!
**「宅地建物取引士資格試験」**です。
当社からも、毎年何人かの社員が受験しています。
しかし……。
毎年受験者はいるのに、宅建士がなかなか増えないのは気のせいでしょうか?(笑)
ちなみに、今年の合格発表は11月25日。
果たして、合格点は何点になるのでしょうか?
今から楽しみです。
社員の皆さん、期待していますよ!(笑)
宅建なんて、勉強すれば取れる資格じゃないの?
これは、あくまで私個人の考え方です。
私は、宅建士という資格は、正しい方法でしっかり勉強すれば、十分に合格を目指せる資格だと思っています。
もちろん、簡単な試験ではありません。
仕事をしながら勉強時間を確保するのは大変ですし、法律を初めて学ぶ方にとっては、難しい内容もあるでしょう。
しかし、毎年受験しているのに、なかなか合格できない人もいます。
5回、6回と受験している人もいますね。
そういう人を見ると、私は思うのです。
「本当に勉強している?」
「勉強の仕方、間違ってない?」
「もしかして、勉強したつもりになってない?」
……と(笑)。
もちろん、何度も挑戦している人を馬鹿にするつもりはありません。
ただ、同じ方法で何年も結果が出ないのであれば、勉強方法を見直す必要があるのではないでしょうか。
不動産業界で仕事をしていくのであれば、宅建士はぜひ取得しておきたい資格です。
特に、これから大きな仕事をしたいと思っている若手社員には、そう伝えています。
若い男性営業マンにありがちな「勘違い君」
最近、特に若い男性の賃貸営業マンから、こんな言葉を聞くことがあります。
「もっと大きな仕事がしたいです!」
気持ちは分かります。
向上心があるのは、いいことです。
しかし、ちょっと待ってください。
賃貸仲介の仕事を2年ほど真面目にやっていれば、ある程度の契約は取れるようになります。
お客様への接客にも慣れます。
物件案内もスムーズになります。
申込から契約まで、一通りの仕事ができるようになります。
すると、だんだん勘違いが始まります。
「あれ?俺って仕事できるんじゃない?」
……出た!(笑)
そして、
「もっと給料が欲しい!」
「もっと大きな仕事を任せてほしい!」
「賃貸仲介だけじゃ物足りない!」
と言い始めるのです。
いやいや、ちょっと待てよ!(笑)
今の賃貸仲介は、昔と比べてずいぶん簡単になった
これは、全国の賃貸仲介営業マンからクレームが来そうですが、あえて言います。
今の賃貸仲介は、昔と比べてずいぶん簡単になったと思います。
もちろん、賃貸仲介の仕事そのものを軽視しているわけではありません。
お客様への説明、契約手続き、トラブル対応など、専門知識が必要な場面はたくさんあります。
しかし、少なくとも「物件を探して紹介する」という部分は、昔とは比較にならないほど便利になりました。
今は、パソコンにお客様の希望条件を入力すれば、該当する物件が一覧で出てきます。
エリア。
家賃。
間取り。
築年数。
設備。
駐車場。
条件を入力すれば、物件情報が表示される。
さらに、AIを活用すれば、物件の比較や提案まで支援してくれる時代です。
便利になりましたねぇ。
そして「働き方改革」
昔は、繁忙期になると、夜中の1時、2時まで契約書を作ったり、資料作成したりなんて事もありました。
今じゃあり得ませんけどね(笑)
昔は、契約書も手書きが多かった。今は管理ソフトやシステムが、簡単に作ってくれる。
また、ある程度、大きな会社では「契約書作成チム」「物件登録チーム」「写真撮影チーム」と、昔は賃貸営業のスタッフが当たり前にやっていた作業も、分業化され、賃貸営業スタッフは「接客だけ」なんていうケースもあります。
これもすべて「働き方改革」の影響ですね。
昔は、営業マンの頭の中に物件情報が入っていた!
私が賃貸仲介をしていた頃は、今のような便利なネット環境はありませんでした。
物件資料は紙。
しかも、手書きの資料もたくさんありました。
お客様が来店されると、
「どのあたりでお探しですか?」
「ご予算は?」
「何人で住まれますか?」
とヒアリングをしながら、営業マンが頭の中にある物件情報を引っ張り出すのです。
「あっ、あそこのアパートなら条件に合うな!」
「いや、こっちの物件の方がいいかもしれない!」
そんなことを考えながら、物件を紹介していました。
つまり、営業マンによって、紹介できる物件の質も量も違ったのです。
物件をどれだけ知っているか。
エリアをどれだけ理解しているか。
オーナー様の事情をどれだけ把握しているか。
営業マンの知識と情報量が、仕事の成果に大きく影響していました。
ところが、今はどうでしょうか?
お客様が自分で探して、自分で選んで、来店してくれる!
今のお客様は、非常に優秀です(笑)。
まず、自宅でSUUMOやアットホームを開きます。
自分で希望条件を入力します。
自分で物件を検索します。
気になる物件を比較します。
そして、物件を絞り込みます。
そのうえで、
「この物件を内見したいです!」
と問い合わせてくださいます。
名前や連絡先など、必要な情報まで入力してくれます。
そして、わざわざ不動産会社まで来店してくれるのです。
営業マンは、問い合わせのあった物件を確認し、内見の手配をします。
お客様が気に入れば、申込手続きへ進みます。
……。
これ、誰が営業したんでしょうか?(笑)
もちろん、案内や説明の仕方によって、成約率は変わるでしょう。
お客様の希望に合う別の物件を提案する能力も必要です。
しかし、最初に物件を見つけ、興味を持ち、問い合わせをしてくださったのは、お客様自身です。
その事実を忘れてはいけないと思うのです。
会社が何百万円も広告費を払って集客している!
さらに、もう一つ忘れてはいけないことがあります。
それは、
「お客様は、営業マン個人の力だけで来店しているわけではない」
ということです。
会社は、SUUMOやアットホームなどのポータルサイトに、多額の広告宣伝費を投入しています。
物件情報を登録し、写真を撮影し、間取り図を作成し、情報を更新する。
広告を掲載し、問い合わせが入るようにする。
そのために、会社は人件費も広告費も使っています。FCに加盟していれば、FC料も多額です。
規模の大きな会社であれば、ポータルサイト関連の広告費が月に数百万円、場合によっては1,000万円を超えることもあるのではないでしょうか。
※これは会社規模による費用感についての私の見方であり、業界全体の統計ではありません。
つまり、営業マンが接客する前から、会社は多額のお金と労力を使っているのです。
それなのに、
「僕は今月、これだけ契約を取りました!」
「もっと給料を上げてください!」
「もっと大きな仕事をさせてください!」
なんて言われると……。
「じゃあ、お前が独立して、自分で集客してみろよ!」
と言いたくなります(笑)。
会社の集客力を、自分の営業力と勘違いするな!
私が言いたいのは、契約を取ることに価値がないという話ではありません。
もちろん、契約を成立させることは大切です。
お客様に丁寧に対応し、トラブルなく契約を進めることも重要です。
しかし、会社が広告費を使って集めたお客様を接客しているだけなのに、それをすべて自分の実力だと思ってしまう。
ここが問題なのです。
本当に営業力がある人は、会社の広告だけに頼りません。
お客様から指名される。
以前のお客様から紹介が入る。
オーナー様から相談される。
物件の問題点を見つけ、改善を提案できる。
契約が決まらない理由を、自分で考えられる。
そして、会社の売上だけでなく、利益にも貢献できる。
そこまでできて、初めて「営業力がある」と言えるのではないでしょうか。
会社の看板で仕事をしているのか。
自分自身の信用で仕事をしているのか。
若いうちから、この違いを理解してほしいと思っています。
もっと大きな仕事がしたい?だったら宅建くらい取れ!
さて、ここで本題です。
「もっと大きな仕事がしたい!」
そう言う若手社員に、私は聞きたい。
「ところで、宅建は持ってるの?」
「いや、まだです……」
……。
「じゃあ、宅建くらい取ってから言え!」
という話です(笑)。
不動産業界で、もっと大きな仕事をしたい。
売買仲介をやりたい。
収益用不動産を扱いたい。
独立して不動産会社を経営したい。
そう思うのであれば、宅建士の資格は取得しておくべきだと思います。
もちろん、宅建士の資格がなければ、不動産会社で営業活動が一切できないわけではありません。
また、宅建士の資格を取得しただけで、不動産会社を独立開業できるわけでもありません。
宅建業の免許や事務所など、別途必要な要件があります。
しかし、宅建士は、不動産取引に関する重要な専門資格です。
重要事項説明など、宅建士でなければ担当できない業務もあります。
大きな仕事をしたいのであれば、まずは基本となる知識と資格を身につける。
私は、そう考えています。
資格を取っただけで、一人前になれるわけでもない!
ただし、ここで誤解してほしくないことがあります。
宅建士の資格を取得したからといって、仕事ができるようになるわけではありません。
資格は、あくまでスタートラインです。
不動産売買であれば、物件調査や法令上の制限、権利関係、契約条件などを理解する必要があります。
賃貸管理であれば、家賃滞納、設備トラブル、原状回復、オーナー対応など、さまざまな問題に対応しなければなりません。
資格だけ持っていても、現場経験がなければ対応できないことはたくさんあります。
しかし、だからといって資格が不要という話にはなりません。
「資格」と「実務経験」の両方が必要なのです。
若手社員には、資格取得をゴールにするのではなく、そこからさらに専門性を高めてほしいと思っています。
ポータルサイトが止まったら、物件を紹介できない!?
ちなみに、最近、ちょっと考えさせられる出来事がありました。
2026年10月下旬、PHPに関する脆弱性への対応などを背景に、不動産関連のウェブサービスでも緊急メンテナンスが行われました。
アットホームも、10月21日夜から各種サービスの緊急メンテナンスを実施したことを公表しています。
現場では、システムが使えないことで、普段どおりに仕事を進められない場面がありました。
すると、こんな声が聞こえてきます。
「物件が紹介できません!」
……。
「なんやねん、それ!」(笑)
確かに、システムが止まれば不便です。
普段使っているサービスが利用できなければ、業務に支障が出るのは当然でしょう。
しかし、だからといって、何もできなくなってしまうのは問題ではないでしょうか。
昔は、パソコンがなくても物件を紹介していました。
紙の資料を見ながら、お客様の希望に合う物件を考えていました。
オーナー様に直接連絡して、空室状況を確認していました。
今は、便利なシステムがたくさんあります。
AIも活用できる時代です。
しかし、便利になった反面、システムに依存しすぎている部分もあるのではないでしょうか。
「パソコンがなければ仕事ができない」
そんな不動産営業マンには、なってほしくありません。
AI時代だからこそ、営業マンの本当の実力が問われる!
これから、不動産業界でもAIの活用はますます進んでいくでしょう。
物件検索。
条件比較。
問い合わせ対応。
物件紹介文の作成。
契約書類の作成支援。
さまざまな業務が、さらに効率化されていくと思います。
では、そのとき営業マンに求められる能力は何でしょうか?
私は、単に物件を探して案内するだけでは、これからの時代、差別化が難しくなると思っています。
なぜ、その物件がお客様に合っているのか。
どんなリスクがあるのか。
他の物件と比べて、どこが優れているのか。
オーナー様の物件が決まらない原因は何なのか。
どうすれば、もっと収益を上げられるのか。
こうしたことを、自分の頭で考え、提案できる人材こそ、これから必要とされるのではないでしょうか。
AIを使うことは、悪いことではありません。
むしろ、どんどん使えばいいと思います。
ただし、AIやポータルサイトが出してきた情報を、そのままお客様に伝えるだけでは、専門家とは言えません。
最後に判断するのは、人間です。
そして、その判断には、知識と経験が必要なのです。
まとめ|大きな仕事をしたいなら、まず自分の実力を磨け!
今回、かなり辛口でお話ししました。
特に、若い営業マンからすると、
「社長、そんな言い方しなくても……」
と思われるかもしれません(笑)。
しかし、私は若い社員が成長することを、本当に期待しています。
だからこそ、勘違いしてほしくないのです。
会社が広告費を使って集めたお客様を接客し、契約が取れるようになった。
それは、もちろん成長です。
しかし、それだけで一人前の営業マンになったわけではありません。
会社の集客力。
ポータルサイトの便利さ。
先輩社員が積み上げてきた物件情報。
管理会社とオーナー様との信頼関係。
そうしたものに支えられて、今の仕事ができているのです。
そのことを忘れてはいけません。
そして、
「もっと大きな仕事がしたい!」
「もっと給料が欲しい!」
「将来は独立したい!」
そう思うのであれば、ぜひ挑戦してください。
私は、向上心のある若い社員を応援したいと思っています。
ただし……。
宅建も持っていないのに、大きな仕事をしたいと言われても困ります!(笑)
まずは勉強して、資格を取る。
現場で経験を積む。
お客様から信頼される。
自分で考え、自分で仕事を生み出せるようになる。
そこまで成長して、初めて次のステージが見えてくるのではないでしょうか。
最後に、全国の若手不動産営業マンの皆さんへ。
「もっと大きな仕事がしたい!」
大いに結構!
でも、その前に……。
「宅建くらい取ってから言え!話はそれからだ!」(笑)

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